電子透かしと電子あぶりだし

共通科目情報処理(上級)、インターネットの仕組み、2003年02月14日

                                       電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

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■電子透かしと電子あぶりだし

◆電子透かし(digital watermarking)

著作権保護の技術

ディジタル情報の利点と問題点

情報を暗号化では、復号化された後のデータを守ることはできない。

データの一部に目に見えるロゴを埋め込むの問題点

電子透かしは、目に見えない形で元データに対して情報を埋め込み、 それを検出する技術。

情報不可視化、データ隠し(datahiding)とも呼ばれる。

電子透かしで必要な技術

  1. 利用者に気が付かれない形で付加情報を埋め込む。元の静止画 像、動画像、音声などのデータの品質を劣化させない。
  2. 埋め込まれた情報が元データから分離できない。通常の編集や フォーマット変換でも付加情報が残る。
  3. データ量が増えない。
電子透かしでは、人間の視覚的・聴覚的な特性を利用し、人間には 気が付かない程度に元データを微妙に加工する。

元のデータではなく、埋め込まれたデータが重要な時には、電子あぶりだしを 使う。

◆電子あぶりだし(steganography)

ディジタル情報を他人に気付かれることなく伝えるための技術。

暗号化
元のデータを変換し、アクセスできる権限を持った人だけに復元可能な形にす ることで秘密を保とうとするもの。「秘密が存在する事実」を隠すことはでき ない。
電子あぶりだし
「秘密が存在する事実」を他人に気付かせない技術
電子あぶりだしと電子透かし技術の比較

類似点

相違点:
電子透かし技術
電子あぶりだし
  • 表面に現れるデータはダミーであり、あまり価値がなく、 隠されているデータ(秘密情報)に価値がある。
  • 大量のデータを埋め込むことが要求される。
  • 秘密情報が第3者に消されたとしても、秘密がもれるわけではないので、 問題にはならない。

  • BPCS-Steganography。ダミーデータの 40% から 50% のデータを埋め込むこと ができる。

    http://www.know.comp.kyutech.ac.jp/BPCS/


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    Last updated: 2003/02/14 02:42:08
    Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>