言語,データベース,インターネット

共通科目情報処理(講義)、国際総合学類対象、1997年01月22日

                                       電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

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http://www.ipe.tsukuba.ac.jp

■復習

■コンピュータ言語

コンピュータと人間の両方が「理解」できる「人工言語」。 普通の人間が理解できるのは、普通は自然言語(日本語、英語、・・・)。 「人工言語」には、次のようなものがある。

コンピュータのハードウェア(CPU)が本当に「理解」できるのは、機械語 だけ。コンピュータが「理解」できるために、コンピュータ言語では、 「構文」と「意味」が厳密に決まっている。

コンピュータ言語の種類

コンピュータ言語を学ぶことの意義

■プログラミング言語

プログラミング言語とは、プログラムを書くための人工言語である。人間の思 考の速度ととコンピュータの速度の差を埋めるもの。

2つの実行方式

種類

分類

■BASIC

いろいろな抽象化。

変数。
メモリを抽象化したもの。
行番号、ラベル。
プログラムが保存されている番地を抽象化したもの。
関数(+,−,*,/,<,>,<>,=など)
CPUの計算機能を抽象化したもの。
IF, GOTO, FOR NEXT, WHILE WEND
プログラム・カウンタの制御を抽象化したもの。
INPUT, PRINT
入出力を抽象化したもの。
LOAD, SAVE
プログラムの主記憶と二次記憶の間のコピーを抽象化したもの。
代入
メモリ間のコピーを抽象化したもの。

データ型(符号)

音や絵の符号は扱えない。

◆BASIC 言語の中で木構造

構文木。 解析木。

■emacs(ng)のバッファ

emacs のバッファ(buffer)。メモリを抽象化したもの。 メモリに、ファイルのように名前を付けることができる。 名前空間は、線形。数が少ないので、木構造になっていない。

■データベース

蓄積されたデータと、それを管理するプログラムを合わせてデータベースと呼 ぶ。単純なファイルではない。保存されているデータ(レコード)の間には、 ある種の「一貫性(consistency)」がある。

データベースを使う理由

■トランザクション

データベースのデータを一貫性を保ったまま更新するための仕組み。最終的に には、全ての更新を完全に行うか、まったく更新を行わないかのどちらかにす る。中途半端な更新を存りえないようにする。 All or nothing。

簡単なトランザクション。エディタでファイルの更新する。 完全に更新できたら、保存する。そうでなければ、保存しない。

トランザクションで使う考え方

■インターネット

インターネット ( internet )とは、もともとネットワークのネットワークと いう意味です。インターネットとは、いくつかのネットワークが相互接続され たものです。類似の言葉に、インターナショナル(international)というもの があります。ここで、 ネットワークとは、それぞれ独立した方針で運営され ている計算機ネットワークです。LANやパソコン通信などは、インターネッ トではないネットワークに分類されます。

世界最大のインターネットは、インターネットと呼ばれています。これは、英 語で書くと、固有名詞のということで頭を大文字にして the Internetと綴ら れます。この章で説明するものは、この固有名詞としてのインターネットです。

固有名詞としてのインターネットは、次のような意味を含んでいます。

よくインターネットのことを「世界最大のコンピュータ・ネットワーク」と紹 介されることがあります。これは、(1)に関する側面しか語っていません。そ れ以外にも、(2), (3)の意味合いもあります。

現在のインターネットは、 ARPANETという、1960年代の終りにアメリカ国防省 の資金による研究プロジェクトの結果作られたネットワークが元になっていま す。ARPANETの研究成果の1つとして、TCP/IP (Transmission Control Protocol/Internet Protocol)という通信プロトコル(通信の約束)がありま す。TCP/IPは、プログラムとプログラムが会話をするための仕掛けです。イン ターネットという言葉は、the Internetに電子メールを交換できる範囲を意味 することもあります。

インターネットの哲学は、「つながるものはなんでもつなげる」ということです。そう いう意味では、現在使われている技術は、しばらくたつと限界に達するでしょう。しか し、「つながるものはなんでもつなげる」という考え方は、ずっと生き残るでしょう。 そういう意味でインターネットは、ブームで終ることは決しあり得ないと言えます。

◆意義

◆インターネットと電話

1.1インターネットと電話 電話のネットワークと比較することで、インターネットの説明をしてみたいと 思います。通信量で見た場合、1994年まで世界最大のネットワークは、電 話でした。1995年では、インターネット上を流れる通信量が、電話による 音声による通信量を超えました。 ネットワークとして見た時の電話の特徴をまとめてみます。
  1. つながっている機器は、電話機(音声と電気信号を変換する機械)であ る。
  2. ネットワークを流れるデータは、音声のみである。
  3. 電話には、電話番号が振られている。
  4. どの電話とも接続可能可能である(完全結合)。
  5. 電話を掛ける時、電話を使う人は、電話番号を指定するだけでよい。電 話を使う人は、途中の電話局の存在や電話会社の存在を気にしなくてもよい。
これに対してインターネットは、次のような特徴があります。
  1. つながっている機器は、計算機である。
  2. ネットワークを流れるデータは、計算機で扱えるビットパタン(2進数)である。
  3. 計算機にはIPアドレスと呼ばれる番号がふられている。
  4. どの計算機とどの計算機も接続可能である(完全結合)。
  5. 通信をするとき、使う人は、IPアドレスを指定するだけでよい。使う 人は、途中の中継する計算機の存在を気にしなくてもよい。 電話にはない、インターネットの特徴は、末端の計算機の力を借りて、さまざ まなサービスが提供できるということです。次にサービスについて、説明しま す。

    ■練習問題(1)

    ■今後の予定


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    Last updated: 1997/01/28 16:23:22
    Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>