共通科目情報処理(講義)、社会学類対象、1997年05月02日
電子・情報工学系
新城 靖
<yas@is.tsukuba.ac.jp>
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情報扱い方の種類(広義の情報処理)
- 計算(computation)
- 通信(communication)
- 記憶(storage)
- 入力、出力、
- 情報量、bit, byte, k, M
- メモリ、CPU、ハードディスク
- 揮発的なメモリ(IC)、速い、高い
- 永続的なメモリ(ハードディスク)、遅い、安い
記憶メディア(半導体メモリ、フロッピ)には、番地がある。
フロッピのフォーマット(初期化)は、番地を降る作業をしている。番地は、
ブロック単位に降られる。
通信速度。
- モデム 30 k bps (bit per second)
- ISDN 64+64+16 k bps
- イーサネット 10 M bps → 100M bps
- FDDI (光ファイバ) 100 M bps
- ATM 45M, 155M, 645M
帯域と遅延。
犬の背中にフロッピ。
電話音質、64k bps。
オペレーティング・システムとは
- 基本ソフトウェア。プログラム。
- 電源を入れて、使えるようになった時に動いているプログラム。
(オペレーティング・システム以外のプログラムは、
すべてオペレーティング・システムの働きで実行される。)
- コンピュータの「顔」を作る。基本的な考え方と操作方法とを決める。
同じハードウェアでも、違うオペレーティング・システムが動くと、
考え方も操作方法も違う。
- ソフトウェアにより、基本的なもの(オブジェクト)を提供する。
オブジェクトは、いろいろなアプリケーション間で「共有」される。
- ファイルとディレクトリ
- プロセス
- ウィンドウ、アイコン。
- 通信
- 利用者
- ハードウェア管理するソフトウェア。
徒然草(つれづれぐさ) 最初の仏問題。
OSは、誰が実行するか。
ブート・ストラップ(Boot strap,靴ひも)。
ほら吹き男爵は、底なし沼に落ちた時に、自力で脱出するために、自分の靴ひ
もにつかまって脱出した。
オペレーティング・システムの役割
- コンピュータの顔作る。基本的な「考え方」と操作方法を提供する。
- 他のプログラム(応用プログラム)を実行する。
- プログラムとプログラムの間でデータ交換を支援する
- ファイル管理
- プロセス管理
- 通信
- メモリ管理、CPU管理
オペレーティング・システムの種類
- Windows95
- UNIX
- Windows 3.1, MS-DOS
- MacOS
歴史
- Loader
- Monitor
- バッチ処理
- TSS
- ワークステーション、GUI
- パソコン用OS
- ネットワークOS, 分散OS
- 実時間OS
構成要素
- カーネル
- シェル(User Interface)
- ウィンドウ・システム
- コマンド群
- Application Interface (API) (ライブラリ、システム・コール)

図オペレーティング・システムの構成要素
計算機(コンピュータ)には、2種類の記憶するためのハードウェアが使われて
います。
- 揮発的記憶。メモリ(memory)、あるいは、主記憶(main memory,primary
storage)
-
CPUと同じく、半導体で作られていいます(IC)。電源を切ると、内容が
失われます。速度が速く、値段が高い。
- 永続的記憶。2次記憶(secondary storage)
-
ハードディスク(アルミやガラスに磁性体を塗ったもの)、フロッピ・ディス
ク(プラスチックに磁性体を塗ったもの)、磁気テープ(8mmビデオなど)、
CD-ROM などで作られていいます。電源を切っても、内容は保存されます。半
導体のメモリと比較して、速度が遅く、値段が安い。
メモリは、高速に計算を行ったり、データ処理の途中結果を保持するために使
われます。2次記憶は、データを保存するために使われます。
プログラムとプロセス。
プロセスとは、一言で言えば、プログラムの実行時のイメージです。ここで、
プログラムというのは、CPUが実行できる機械命令の集まりことです。
機械語のプログラムは、ファイルに保存されています。それがメモリに読み込
まれ、実行対象になるとプロセスになります。
ここで、1つのプログラムを同時に2個動かすことを考えみてください。する
と、プログラムとプロセスの違いがわかると思います。
利用者の代理
プロセスは、また計算機の中で利用者の代理という意味もあります。利用者は、
計算機が持っているハードウェア資源を利用したい時、直接計算機の中に入り
込むことはできません。そこで、代理人としてプロセスを作ります。プロセス
は、利用者の代わりに、計算機の中で活動します。
プロセスの操作
- 生成(作成)
- 消滅(削除、終了と強制終了)
- 切り替え
- (プロセス間通信)
プロセスの生成・消滅
プロセスを作るには、プログラムを実行します。WindowsやMacintosh では、
プログラムが入っているファイルのアイコンをダブルクリックします。UNIXの
コマンドモードでは、「%」に対してプログラムが保存されているファイルの
名前を打ち込みます。
プロセスを消すには、実行しているプログラム(プロセス)の終了の手順を踏
みます。プロセスは、終了させないといつまでも動いている性質があります。
プロセスの観察
UNIXでプロセスを観察するには、コマンドモードでps
と打ちま
す。Windows 3.1 では、プログラム・マネジャを使います。Windows 95 では、
Explorer を使います。Macintosh では、Finder の右上のメニューを使います。
仮想記憶とは、実際に備えているメモリ容量よりも大きなプログラムを動かす
ための仕組みです。たとえば、仮想記憶を使うと、メモリが32MBしかない
コンピュータで、64MBのプログラムを実行することができるようになりま
す。もともとは、1つのプログラムで実際のメモリ容量以上のものを
基本的なアイディアは、すぐに使うところだけを速いメモリ(IC)に、当分
使わない所を、遅いハードディスクに置き、ディスクとメモリの内容を入れ替
えながら仕事を進めることです。この時、速いメモリを主記憶(main memory,
primary storage)、遅いハードディスクを二次記憶(secondary storage)とい
います。
主記憶と二次記憶の置き換え方には、次の2種類があります。
- ページング。ページと呼ばれる固定長の単位で置き換える。
- スワッピング。プロセス全体をまとめて置き換える。
パソコンでは、ページングはあまりやっていない。スワッピングの一種。スワッ
ピングは、情報学類では、仮想記憶とは呼ばない。UNIXは、ページング(仮想
記憶)をやっている。
ページ置き換えアルゴリズム
- OPTアルゴリズム。最も遠い将来まで利用されないページを2次記憶へ。
- FIFOアルゴリズム。最も早い時刻に読み込まれたページを2次記憶へ。
- Randomアルゴリズム。ランダムに選んで2次記憶へ。
- LRU((Least Recentry Used))アルゴリズム。最も長い時間参照されてい
ないページを2次記憶へ。
一番いいのは、OPTアルゴリズムだが、実現不可能。未来の情報を使うので。
LRU は、過去の情報を使って未来を予測する方法。
超整理法の押し出しファイルは、LRUアルゴリズム。
- 仮想
- 仮に考えること。仮に想定すること。例:仮想敵国。(広辞苑)
- 仮想敵国
- a hypothetical [potential] enemy。
- virtual--形A(比較なし)
-
1 (表面または名目上はそうでないが)事実上の, 実
質上の,実際(上)の: It was a virtual promise. (約束ではないが)約束も
同然だった /He was the virtual leader of the movement. 彼はその運動
の事実上の指導者だった.
-
2 【光】虚像の(#/ng/real): a virtual image 虚像.
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Last updated: 1997/05/08 23:13:01
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>