コンピュータのモデルと符合

共通科目情報処理(講義)、体育専門学群対象、2000年04月20日

                                       電子・情報工学系
                                       新城 靖
                                       <yas@is.tsukuba.ac.jp>

このページは、次の URL にあります。
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/ipe/taiiku-kougi-2000/2000-04-20
あるいは、次のページから手繰っていくこともできます。
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/ipe/
http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/index-j.html
http://www.ipe.tsukuba.ac.jp/~yshinjo/

■復習

情報扱い方の種類(広義の情報処理) フィルタリング。 スタートレック。 考える道具。新しい発想方法。 通信装置。現世利益と教養。

現在のコンピュータをうまく使うには、内部の仕組み、作った人の都合を理解 する必要がある。

■今日の重要な話

■ディジタル・コンピュータ

⇔アナログ・コンピュータ。

コンピュータとは、ビット列を入力し、ビット列を出力する機械である。 入力と出力がある。 入力と同様にビットパタンで与えるプログラムで、大きく動作を変えることが できる。

図1 単純なコンピュータのモデル、入力ビットパタン、出力ビット
パタン、プログラム

図1 単純なコンピュータのモデル

ビット(bit)とは、2つの状態のどちらかを表す情報の単位である。 2つの状態を、普通は、0と1で表す。

1ビットでは、0か1の2つのことしか区別できない。2つだけでは、文字や 数を表わすのに不足するので、普通は、複数のビットをまとめて使うことにな る。

現在の多くのコンピュータでは、複数のビットをまとめる場合、最小の単位と して8ビットを単位として1バイト(byte)呼んで使っている。1バイト(8 ビット)では、2の8乗、つまり、256種類のものを区別することができる。 実習で使っているコンピュータは、32ビットのコンピュータで、一度に32 ビットずつ計算をすることができる。

算盤。10進の算盤、各桁に珠が5個。各桁で0〜9の数を表わせる。

図2 10進算盤、普通の算盤、8桁

図2 10進算盤

2進の算盤、各桁に珠が1個しかない。各桁で0か1の数を表わせる。

図3 2進算盤、各桁に珠が1つしかない、8桁

図3 2進算盤

コンピュータは、ビットパタンを入力してビットパタンを出力するもの。ビッ トパタンに変えられるものなら、何でもできる。でも、得意・不得意はある。 得意なのは、数と文字。最近は、音。図形。静止画像。動画像も。

図4 単純なコンピュータのモデル、入出力装置付き

図4 単純なコンピュータのモデル

コンピュータの使い方(単に使う)。

図6 コンピュータの使い方(単に使う)

図5 コンピュータの使い方(単に使う)

コンピュータの使い方(プログラミング付き)。

図6 コンピュータの使い方(プログラミング付き)

図7 コンピュータの使い方(プログラミング付き)

コンピュータの、通信機器としての使い方。

図7 コンピュータの、通信機器としての使い方

図7 コンピュータの、通信機器としての使い方

電話、Faxのかわり。

■符号化

コンピュータで扱えるように、情報をビットパタン(符合、コード)に対応さ せる。

◆数字の符号化

複数ビットをまとめてあつかう。ビットごとに、2^0, 2^1, 2^2, 2^3, ... と 重みを変える。たとえば、101 だと 2^2 + 2^0 == 4 + 1 == 5 を意味する。

負の数が必要な時には、プラスかマイナスかに1ビット必要になる(絶対値の 範囲が半分になる)。

コンピュータは、間違えることがある。 整数や固定小数点では、表せる範囲に注意する。 浮動少数では、計算の誤差に注意する。 (その前に、そもそもプログラムは人間が作ったものである。)

◆2進数、16進数、10進数

----------------------------------------------------------------------
2進	 16進	10進
----------------------------------------------------------------------
    0	 0	0
    1	 1	1
   10	 2	2
   11	 3	3
  100	 4	4
  101	 5	5
  110	 6	6
  111	 6	7
 1000	 8	8
 1001	 9	9
 1010	 A	10
 1011	 B	11
 1100	 C	12
 1101	 D	13
 1110	 E	14
 1111	 F	15
10000	10	16
----------------------------------------------------------------------

◆文字の符号化

文字の符号化とは、文字とビットパタン(または整数)を対応させることであ る。対応のさせかたには何種類もある。
A	1
B	2
C	3
...
Z	26
モールス符合。 ポケットベル・コード。4649。

コンピュータでよく使われる文字の符号化の方法

◆文字の符号化と情報量

8 bit == 1 byte (B)
1 k == 1024
1 M == 1024 k

新聞1ページの情報量

80行×12文字×15段 == 14400文字
14400 [文字] × 16 [ビット/文字] == 230400 [ビット]
新聞では、普通1ページを 256k ビットとして解説する。

ドコモの64kでは、1秒間に 64 x 1024 ビット送れる。16ビットの漢字コード を使うと 64 x 1024 / 16 == 4096 文字送れる。14 ビットなら 64 x 1024 / 14 == 4681 文字。

◆ビットマップ

「漢」のビットマップによる表現

「漢」のビットマップによる表現。16×16。 1文字を表すのに、256ビット必要になる。

◆漢字コード

JIS漢字コード表の一部

漢字1文字を、16ビットで表す。16進で2121から747Eまでの範囲にある。た だし、ただし、半分は空いている。16ビットを、8ビットずつに分ける時に、 それぞれ 21〜7E に入るようになっている。

参考:

http://www.hlla.is.tsukuba.ac.jp/~yas/classes/ipe/nitiniti2-enshu-1996/1996-11-18/kanji-code.html
漢字コードに関する解説

◆ISO Standard ISO8859-1 Latin-1

Latin-1コード表

8ビット符号。 20(16進)から7F(16進)までは、ASCII と同じ。 西ヨーロッパでよく使われている。

参考:

http://www.sandia.gov/sci_compute/iso_symbol.html
ISO Latin 1 Character HTML Entity Names)

↑[もどる] ←[4月13日] ・[4月20日] →[4月27日]
Last updated: 2000/04/26 23:56:32
Yasushi Shinjo / <yas@is.tsukuba.ac.jp>